【羽田真代】最後まで自画自賛を貫いた文在寅前大統領の退任演説

5月9日、韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領が大統領退任演説をした。15分ほどの演説で、彼は過去5年間の自身の政策を片っ端から自画自賛した。

まずは演説の内容を簡単にご紹介しよう。以下、彼のことは文前大統領と呼称する。

1）韓国民は連続する国家的危機の前で一つになった
2）朴槿恵大統領とその知人による国政の壟断事件で憲政秩序が崩れた時、私たち国民はろうそく集会を通じて、政権交代を実現して民主主義を再び起こし立てた
3）平昌（ピョンチャン）冬季五輪を平和五輪として成功させた
4）韓半島の戦争危機状況を対話と外交の局面に転換させ、平和と繁栄の新しい韓半島時代に対する希望を育んだ
5）日本の不当な輸出規制による危機を全国民の団結した力で克服した
6）大韓民国は世界をリードする防疫模範国家だ。新型コロナウイルスの等級を1等級から2等級に引き下げ、マスクなしの生活が送れるようになった
7）第二次世界大戦後、発展途上国から先進国入りした唯一の国家となった
8）大韓民国は、世界から認められて羨ましがられる「偉大な国民の国」だ
9）選挙で深まった国民の溝を埋めて進めば、大韓民国は真の成功の道へとさらに力強く前進するだろう

演説内容を見れば、文前大統領が自国メディアからも「自画自賛だ」と指摘される理由がよくお分かりいただけるのではないだろうか。

ここがおかしい！前大統領の主張
進歩派あるいは改革派が多く参加したろうそく集会によって、朴槿恵（パク・クネ）元大統領が罷免された。そして文政権が誕生し、およそ5年後の任期満了直前には自身の人気取りのために今度は朴元大統領を恩赦した。朴元大統領の懲役は22年で、服役期間は5年にも満たなかった。恩赦されたからと言って、彼女の罪が消えたわけではない。

米国・トランプ前大統領のお陰で一時は融和ムードが漂った南北関係であったが、結局はそれも改善されていない。トランプ前大統領の退任から北朝鮮によるミサイル発射実験が増えたが、文前大統領は強固な姿勢を示すことはなかった。

日本の輸出管理強化は、韓国側が説明責任を果たさなかったから招いた出来事だ。大量破壊兵器を製造する国家へ資材を横流ししているという疑惑を払拭できていれば、現在もホワイト国だったに違いない。

文政権は管理強化された資材を国産化すると豪語していたが、いまだに多くの資材を日本から輸入しているのが現状で、文前大統領が言う「克服」には程遠い。

新型コロナウイルスに対する対応も、政府が感染者のコントロールが取れなくなって等級を引き下げたまでだ。当時、韓国の感染者数や死者数は最悪だった。マスク着用義務は原則撤廃されたものの、街を歩けばいまだに多くの国民が着用しており、政府と国民の温度差を感じる。

文前大統領は、韓国を「第二次世界大戦後、発展途上国から先進国入りした唯一の国家となった」と評価した。しかし、日本は1964年に経済協力開発機構（OECD）に加盟して、1972年に世界第2位の経済大国になっている。第二次世界大戦が終結したのが1945年だから、韓国が唯一の国家だと主張できるだろうか。

続きはソースで
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70079

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